イヌの遺伝子-(4)遺伝的疾患に関係のある遺伝子

オオカミの毛色は灰色や濃い茶色ですが、犬にはたくさんの毛色と模様があります。家畜を守っている犬をオオカミとまちがえて撃ち殺してしまわないために、白っぽい毛色に改良したという説も残っています。

白い毛色で眼が黒い(優性白色)犬を、有色の犬と交配すると、全て白い毛色の子犬だけが産まれてくる場合と、半分が白色の子犬、半分が有色の子犬として生まれてくる場合の、二つのパターンになります。白色遺伝子は、有色遺伝子より優性だからです。

ダックスフントには、「ブラックタン」「クリーム」「レッド」「ダップル」「チョコダップル」「パイポールド」というように、たくさんの毛色のバリエーションがありますが、ダップルは大理石模様の被毛を持つものです。

ダップル

この大理石模様の毛色に関与している遺伝子を、マール遺伝子と呼びます。

この遺伝子は、毛色の情報だけではなく、疾患の情報や胎児の時の神経形成などにも深く関与しています。

マール遺伝子は、色素を薄める遺伝子のひとつですが、体全体の被毛に影響を与えるdd(ディルーション)などの遺伝子とは違って、ユウ・メラニン系の色素であるブラックとブラウンだけに作用するという特徴をもっています。そのため、不均等なカラーのパターンになって、被毛がちょうど大理石模様になるのです。

マール遺伝子をもつダップルで、顔に白い部分が多く、眼が青い犬の場合、難聴の場合が多いと言われています。

ダップルどうしを交配させた場合、6~9割が死産になり、産まれてきたとしても盲目や難聴、内臓障害、神経障害、行動異常などの疾患をもつ可能性が高いとされています。

体の一部に小さな白い斑点がある場合、マール遺伝子の影響を受けている「隠れダップル」かもしれないので、そのようなダックスフントは、繁殖に使うべきではないと専門家は言っています。

白い毛色を作る遺伝子には、2種類あり、ひとつはブチになる遺伝子、もうひとつは体全体の被毛の色を薄くする遺伝子です。後者の遺伝子は、健康上のトラブルを引き起こすことはないと言われます。

かつては、白いコートカラーの犬は、健康上の問題が起こりやすいと言われましたが、白に関係する遺伝子が必ずしも何らかの欠陥をもたらす因子とはならないと考えられるようになっています。

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