イヌの遺伝子-(5)主な遺伝性疾患と頻発犬種

●股関節形成不全

犬種:

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード

症状:

腰を振って歩く、横すわりをする。足を揃えて走る。階段やジャンプを嫌がる。散歩の途中ですわりこむ。頭を下げて前かがみになる。後ろ足の幅が異常に狭くなる。

解説:

股関節が異常にゆるく、関節が浅いため亜脱臼を起こしている。

70%は遺伝的な要因とされ、両親犬に疾患があればほとんどの子犬が発症する。30%は後天的な要因で、肥満や過激な運動によるもの。

●椎間板ヘルニア

犬種:

ダックスフント(ペキニーズ、コーギー、ビーグル、シーズー、プードル)

症状:

歩くと足がもつれる。小股で歩くようになる。抱くと痛がる。失禁する。

解説:

胴が長く、足が短い犬に多く見られる。背骨と背骨をつなぐちょうつがいのような役目をしている椎間板は、加齢とともに硬くなり、さまざまな要因で破壊される。すると、新しいできた組織が突出し、脊髄を圧迫するため、痛みを伴う神経障害を起こす。

● 水頭症

犬種:

チワワ、ペキニーズ (ダックス、ヨークシャー・テリア、トイプードル、ボストンテリア)

症状:

眠ってばかりいる。活動が低下する。痴呆。攻撃行動。硬直。けいれん発作。知覚、意識障害。視力障害(眼球の揺れ、斜視)

解説:

脳質にある脳脊髄液が増えて、脳を圧迫することでいろいろな神経症状を起こす。小型犬、短頭種に頻発する。

● てんかん(原発性/特発性てんかん)

犬種:

ダックス、ビーグル、プードル、シェルティ、シェパード、テリア系、レトリーバー系

症状:

前兆として、落ち着きを失い、よだれが多くなり、嘔吐したりする。全身の発作では、意識を失い、目の瞳孔が開き、失禁、脱糞する。突然、足をピーンと伸ばして倒れ、足や口を細かくふるわせる。犬かきで泳ぐような動き(数十秒から2~3分で収まる)

解説:
遺伝的な要素が関係していると考えられる原因不明の発作。治療の対象となるのは、3ヶ月に2回以上の発作がある場合。

● 心疾患(僧坊弁閉鎖不全症)

犬種:

キャバリア、マルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、プードル

症状:

肺気腫。喉に何かが詰まったように咳を繰り返す。肺の血管から水分が肺胞内に流れ込み、溺れているのと同じ状態になって、放置すると窒息死する。

解説:

僧坊弁は、左心房(肺から酸素を含む血液が戻ってくる)と左心室(全身に血液を送る)の間にある弁。加齢でその閉鎖機能が落ちて、左心室から全身に送られる血液の一部が左心房に逆戻りしてしまい、肺静脈の圧力が高まって、肺気腫を起こす。

●気管虚脱

犬種:

ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャー・テリア

症状:

ゴホッ、ゴホッと苦しそうに続けて乾いた咳をする。気管の一部の軟骨が変形して、気管の上下がくっついてしまい(扁平化)、呼吸しずらい。

解説:

小型犬に多く、通常は8歳以降に発症するが、生まれつき気管が未発達な場合もある。気管虚脱がある場合には、常に感染が起きやすくなっているので、抗生物質や気管支拡張剤で治療を行う。

●犬の遺伝的な問題行動

突発性攻撃

いつもは友好的でおとなしい犬が、突然、何の理由もなく、飼い主を含む人間に噛みつきます。この突発的な攻撃性向は、おそらく遺伝的なものだろうと考えられており、コッカー・スパニエル、ドーベルマ・ピンシャー、ブルテリア、ジャーマン・シェパード、バーニーズ・マウンテンドッグに多発している。特にイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの場合には極端な凶暴性を伴うことがある。

分離不安

飼い主の姿が見えなくなると、吠えまくったり、家具を噛んだり、爪でひっかいたりする行動で、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、イングリシュ・コッカー・スパニエルに多く見られる。

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