イヌの体と特性-(1)体温と呼吸

犬は足の裏を除いては、ほとんど汗をかきません。人間は皮膚にある350万個の汗腺から汗を出して、それを蒸発させることで体温を下げていますが、犬の汗腺は足の裏の肉球と鼻にしかありませんので、汗をかいて体温を下げることができません。

そのため、犬は暑い時や走った後などに舌をベロンと出して、「ハア、ハア、ハア」と浅くて早い呼吸をします。この呼吸法は、犬独特の体温調節のためのもので、「浅速(さんそく)呼吸」あるいは「パンティング」と呼ばれます。

唾液で湿らせた長い舌を口から出して、水分を蒸発させることで体温を下げようとする、あるいは、呼吸によって、温かい空気を吐き出して、冷たい空気を吸い込むことで身体を冷却しようとしているのです。

通常は、犬は鼻から吸った空気を全部肺に入れて、吐き出すという呼吸をしています。呼吸数は1分間で18回程度、体温は平均38℃で、吐き出す空気の温度は29℃です。

犬が走っている状態では、例えば時速15kmの場合、体温は1.3℃上昇して、浅速呼吸をし始めます。

浅速呼吸は、鼻から吸った空気は4分の1しか肺に入れず、残りの4分の3は口から吐き出しています。肺の筋肉が動くことで生じる熱をセーブするためです。その時に吐き出される空気の温度は、体温と同じ38℃で、そのようにして体を冷やしているのです。

古代のメキシコでは、寒い夜に湯たんぽがわりにするために、「メキシカンヘアレス」という毛の生えていない犬種を作りだしたと言われます。犬の体温は平均38℃で、人間より2℃ほど高いのですが、毛の生えていない犬を触れば、その暖かさをそのまま感じることができるからです。

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