イヌの交配と出産-(12)飼い主の手伝い

飼い主の手伝い

通常、母犬は生まれた子犬のへその緒を噛み切り、体をなめて乾かします。しかし、母親が分娩で疲れてしまって、そのような行動がとれない場合や、子犬が仮死状態で産まれてきた場合には、飼い主が処置しなければなりません。

●羊膜を破って子犬を取り出して、へその緒を切る

羊膜を手で破り、へその緒をハサミで切る。へその緒は、根元から2cmぐらいのところを糸で結んで、そこからやや離れた4~5cmのところで切る。へその緒からの出血は1分程度で止まる。

結んでおいたへその緒は、生後3日ぐらいで自然に取れてしまう。

●体を拭いて乾かす

柔らかい乾いたタオルで全身を優しく拭いてきれいにする。
子犬が「ピーピー」と高い声で鳴き出したら、呼吸が始まったと確認できる。

●呼吸をさせる

子犬が鳴き出さず、口をパクパクさせているようなら、気道や肺に羊水が残っていて、呼吸できない状態。そのままでは酸欠で死んでしまう。

タオルで子犬をくるんで、お腹を下向きにして(うつぶせの状態)で両手で抱いて、腕を伸ばして頭上からゆっくり降り下ろす。遠心力を使って、肺、気道に残っている羊水を出す。(子犬の頭部をしっかり包んでもたないと首を脱臼してしまうので注意する。)

鼻や口にたまっている羊水を口で吸い出す方法もあるが、熟練が必要。

●子犬の体をタオルでこする

気道の羊水が出てきたら、体の水気を拭き取りながら、リズムをつけてこする。人口呼吸と同じ効果がある。ピーピー鳴き出すまで、続ける。

産後の子犬へのケア

飼い主であっても人間が子犬に近づいたり、触ったりするのを嫌がる神経質な母犬もいます。

通常では、産後2週間前後は、母犬は子犬のそばを離れずに哺乳を行います。また、子犬たちの下腹部をなめて、ウンチやおしっこをうながします。

メス犬は、出産も子育てもすべて本能に従って行います。しかし、中には、パニック状態になって、子犬に授乳しない、せわをしないなど、育児放棄してしまう母犬もいます。

子犬の体重測定を毎日行って、発育の遅い子犬がいれば、授乳できるように手助けをしたり、母犬が子犬の面倒をあまりみないようなら、湿らせたコットンなどで下腹部を刺激して、ウンチやおしっこをうながすようにします。

子犬たちの首に色違いのリボンを結んでおけば、個体管理がしやすくなります。

母犬へのケア

●出産中の水分・栄養補給

胎子の数が多い場合、すべてを産み終わるまでに10時間以上かかることもあります。途中で、母犬に水分を摂らせたり、栄養補給をします。子犬用のミルクやハチミツ、チューブ入りのコンデンスミルクなどを与えます。

●産後にけいれんを起こしたら・・・・

母犬が低カルシウム血症で、発熱したり、けいれんをおこしたりすることがあります。動物病院での治療が必要です。

●落ち着いてきたら、軽い運動をさせる。

母犬を5~10分程度の散歩に連れ出す。リラックスさせると同時に、歩くことで全身の血行を促し、母乳の出をよくする効果もあります。また、適度な運動は、産後の子宮を収縮させる上でも必要です。

●出産後のウンチ

出産後の1~2回のウンチは、黒いタールのような色をしていますが、それは胎盤などを食べたせいですので、心配いりません。

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