イヌの社会化-(4)適度な刺激を受けられる環境

適度な刺激を受けられる環境

子犬が環境に対して反応しはじめるのは、生後3週齢(20日)ぐらいからと考えられます。寝床の外の慣れない環境にいることに気づくと、鳴き声をあげるようになるからです。

子犬は、特定の場所に愛着を持つようになり、それは「局所化」あるいは「場所への愛着」と呼ばれています。そして、特定の場所=環境の中にあるものに愛着をもつようになります。あるものとは、人間を含めた生物や物など全てです。

子犬は自然に備わった用心深さがありますが、それよりも、人間に近づいて社会的な接触をしようとする「社会的誘引=動機づけ」が上回る時期、生後6週齢(40日)~8週齢(60日)の間が、子犬の社会化の最適な時期だと考えられます。

7週齢(50日)~10週齢(70日)の間、檻や犬舎などに閉じ込めらたり、視覚的に隔離されたり、退屈な環境に長い間置かれていた子犬は、活発さを失い、表情が乏しい犬になってしまうことがあります。また、なじみのない環境や状況に対して、極度に怖がるようになることもあります。

外からの適度な刺激を受けられない環境で育てられると、基本的な欲求のはけ口や興味をもつ対象が奪われることになるため、社会性や感情面に欠落した部分が出てくるのです。

子犬をとりまく環境が、基本的な欲求を満たし、適度な刺激を受けられるものであることはとても大切なことです。触れさせたい刺激には、次のようなものが上げられます。

人 : 

子ども、赤ちゃん、高齢者、若者、ひげの男性、帽子をかぶったり、眼鏡をしている人、車いすの人、ベビーカーを押している人、自転車に乗っている人、白衣や制服、スーツを着ている人

環境:

ケージ(クレート)、自動車、電車、エレベーター、公園、道路、掃除機、他の動物

社会化期の子犬を適切な環境下で育てることは、ブリーダー、ペットショップ、飼い主がともに配慮しなければならないことです。犬に対しても人間に対しても十分に社会化が行われるように、また、適度な刺激を受けられるように、適切な環境が与えられ、取り扱われなければなりません。

社会化期前の生後30日~40日の子犬を販売すること、あるいは狭いケージに一頭だけで長時間入れたままにしておくことなどが好ましくないと言われるのは、子犬の社会化を阻害し、将来の問題行動の発生につながるからです。

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