人はなぜ犬を飼うのか-(6)最初は残飯漁り?

●犬は、最初は残飯漁りだった?

学術的には、犬は「14属39種を数える食肉目イヌ科イヌ属」で、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、ディンゴなどもイヌ属とされています。犬種は世界中で400種以上と言われています。

人間が犬を飼うようになった起源は、野生の子オオカミを拾ってきて育て、狩りの手伝いをさせるようになったからだと言われることもありますが、そもそもは野生犬の方から人間に近づいてきて、人間が出す残飯を漁っているうちに、いつしか人慣れして、食べ物とねぐらを与えてくれる人間と一緒に生活するようになったという考え方のほうが説得力を感じます。

日本でも平安時代の歴史書には、犬が都のゴミを始末してくれるそうじ係りだったと書かれているそうです。今でも、犬がゴミ箱をひっくり返して漁ったり、拾い食いをするのも、そんな残飯処理屋(スカベンジャー)の習性が残っているからかもしれません。

多くの高等動物は相手が敵でないかぎりは友好的に行動するため、犬がエサをくれる人間と仲良しになるのはそう時間のかかることではなかったでしょう。また、犬はオオカミのように群れで生活するので、社交的で訓練しやすく、服従的な動物ということもあり、人間にとっても最も共生に適した動物だったのです。

犬は、肉食性で、巣を作って暮らす動物ですが、それが人間には好ましいことでした。なぜなら人間と一緒に暮らすときに、家の中で排泄をしないからです。犬は肉食獣なので糞尿の量が牛や羊などの草食獣に比べて少なく、巣から離れたところで排泄をする習性をもっていたので、人間の住居を汚すことがなかったからです。

では、日本では、いつ頃から犬が飼われ始めたのでしょうか?

神奈川県の夏島貝塚で、飼われていた犬のものと思われる骨が見つかっています。 推定、約9500年前のものなので、日本では、すでに縄文時代には、犬が飼われていたのではないかと言われています。

縄文時代の犬は、柴犬ぐらいの大きさ、肩までの高さが40センチ前後の小型犬だったと考えられます。

遺伝学的な調査では、日本の最北端の北海道犬と最南端の琉球犬、西表在来犬、屋久島在来犬が、縄文犬のDNAを受け継ぐひとつのグループに属することが分りました。

縄文時代に、縄文人に連れられて南方から日本に入ってきた縄文犬は、琉球(沖縄)から北上して、北海道にまで達したのです。

その後、弥生時代、古墳時代に、朝鮮半島から入ってきた人たちが連れてきた犬たちが、本土(本州・四国・九州)で日本の在来犬と交わって、混血種が産まれました。三河犬・山陰柴犬・対馬在来犬は、韓国の珍島(チンド)犬、済州島(チェジュトウ)犬とともに、ひとつのグループとして括られます。

北海道や琉球では、そのような混血が起こらなかったために、縄文犬の遺伝子をもつ犬が北と南に遠く離れて、存在しつづけることになったのです。

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