マナーとしつけ-(5)犬の散歩

●犬の散歩

オーストリアの首都ウィーンでは、飼い主に「犬免許証」を取得させ、犬を散歩させる時には免許を取得していることを表すロゴ・バッジを犬に付けさせるという試みを導入しました。飼い主に犬と行動を共にする際の基本的なルールを徹底して守ってもらい、市民との摩擦を起こさないようにするためです。

1.散歩に出かけるときには、ドアあるいは門扉の前で、「スワレ、マテ」をさせます。

早く行きたくてバタバタしている犬が落ち着くまで待って、それから出かけます。犬のペースでスタートすると、次第に飼い主を引っ張るようになるからです。

2.基本的には犬は飼い主の左側を歩かせます。

犬を自由に歩かせて、リードがピンと張るまで先に行くようだったら、そこで立ち止まります。犬がリードを引っ張ると歩けなくなるということを理解して、飼い主の方を振り向いたら、ほめて歩かせ始めます。それを繰り返して、リードをひっぱらずに歩くようにします。

次に、飼い主の左側のかかとの位置(ヒールポジション)について、犬が歩くようにトレーニングします。

犬の散歩はトイレタイムではありません。しかし、「散歩は犬におしっこやうんちをさせるため」と考えている飼い主がほとんどです。都市部では、特に、犬の排泄は屋内で済ませ、散歩ではおしっこやうんちはさせないというのが、正しい認識です。

室内で排泄する習慣をつけておかないと、犬が高齢になって排泄の世話をするようになった場合、いちいち外に連れ出さなければならないので、飼い主には大変な負担になります。

散歩で排泄してしまうのであれば、他の人に迷惑にならない場所まで連れて行き、後始末をきちんとするという飼い主の心がけが必要です。

オス犬はマーキング行為で電柱などにおしっこをかけてまわろうとしますが、それにつきあっていたら、きりがありません。まして、よそのお宅の門柱や塀、丹精込めた花壇におしっこをかけるような行為は、大きなトラブルになります。

ペットボトルなどに入れた水をかけるなどして、おしっこをかけてしまったところは洗いながすようにしましょう。

散歩中の交通事故で犬がケガをしたり、死んだりするケースは少なくありません。

リードをつけないで放したままで歩かせていたら、犬が突然、歩道から車道に飛び出して交通事故にあった、あるいは、公園でリードをつけずに遊ばせていたら、雷の音に驚いて公園から走り出して車にはねられたというケースもあります。

飼い主が制止できない状態で、犬を放したままにしておいたのですから、基本的には飼い主の落ち度が大きいということで、裁判では車を運転していた人に過失はないと判断されています。

少しでも人通りや車の行き来のあるところでは、リードをできるだけ短く持って、飼い主が犬をコントロールしながら散歩させるようにしなければいけません。たとえ、小型犬でもノーリードにするのは許されません。

「うちの子はかわいい愛玩犬で、吠えたり、咬みついたりすることはないから」と思っていても、どんな犬でも怖いと感じる人がいて、逃げようとして大きな事故につながる場合があるのです。

犬が自転車に乗っている子どもに近づいたために、子どもがあわててハンドルを切って道路沿いの川に転落して、左目を失明する大けがをしたという事故も発生しています。

公園で、ジョギング中の人を追いかけて、かみついたという事故が起こってから、公園から全ての犬が閉め出されることになったというケースもあります。

「飛びつかせない」

犬の愛情表現として、人に飛びつくということがありますが、犬を怖い人がそれを避けようとして、事故になることもあります。飛びつき癖を直すには、犬が飛びついてきた瞬間に両方の前足を持って、しゃがみます。そして、片手を離して、「よしよし」と愛撫してやれば、犬は愛情を受け入れられた満足を感じながらも、飛びつくことをやめるようになります。

「散歩中に飼い主どうしで群れない。」

散歩の時には自然に飼い主どうしが親しく会話を交わすことになります。ややもすれば、連れ立って歩いたり、徒党を組んで井戸端会議に興じることもありますが、一般の人たちの通行妨害になり、不快に思う人もいます。

「犬をつないで買い物をしたりしない。」

スーパーやレストランの入り口付近に犬をつないでおいて、中で買い物や飲食をしている飼い主がいます。「ほんのちょっとだけ」のつもりでしょうが、犬が嫌いな人や怖い人にとっては、とても嫌なことです。

「拾い食いをさせない」

散歩中の飼い主のマナーということではありませんが、犬の拾い食いは命の危険につながることなので、やめさせなければなりません。食べようとした瞬間にリードを引いて、遠ざけ、「いけない!」と叱ります。もし、口に入れてしまったら、上下に口を開かせて、物を飲み込まないように、口を下に向けて振ります。

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