飼い主の心構え-(2)あたふた飼い主

●あたふた飼い主

あたふた飼い主は、ペットショップで抱っこさせてもらった子犬に運命的な出会いを感じて、「まあ、なんとかなるだろう」と後先のことを深く考えることもなく、ほとんど衝動的に、子犬を買ってしまいます。

子犬のかわいらしさばかりに目を奪われているので、健康状態や性格といった中身にまでは思いが至りません。もちろん、生後30日ぐらいで母犬から離された子犬は、社会化期を経ていないので、将来、問題行動を起こす可能性があること、その犬種がどんな遺伝的な疾患を持っている可能性があるかといったことなど、知る由もありません。

ショップのスタッフからの簡単な説明さえ、ほとんど上の空で耳に入らず、あたふたと子犬を連れて帰ります。

帰宅してきた家族がかわるがわる眠っている子犬を起こしては遊び相手にしていたら、ぐったりして元気がなくなり下痢をしました。「病気の子犬を売りつけた」とペットショップにねじ込んだのですが、環境が変わり、十分な睡眠をとれないことがストレスになって、子犬にダメージを与えてしまったためと指摘されます。

子犬を飼う前に、どんな犬種が良いのか、育て方やしつけ方はどうしたらよいのかといったことを勉強していないので、元気になって戻ってきた子犬が吠えたり、噛んだり、ところかまわずおしっこやウンチをしてしまうのを見て、「ダメダメ」「やめなさい」と叱ってばかり、自分の感情を抑えることができず、思わず子犬を叩いてしまいます。

かわいい盛りを過ぎて、手に負えなくなってしまった愛犬を前に、あたふた飼い主は、「犬を飼うことがこんなに大変なことだったとは思ってもみなかった、これから10年以上も、ずっと世話をしなければならないのか」と暗い気持ちで日々を過ごすことになります。

米国の著名な動物行動学者であるイアン・ダンバー博士は、次のように言っています。

子犬の育て方を学習してからでないと、子犬を飼うべきではありません。完璧に育つはずの子犬をほんの数日でだめにしてしまうこともあります。

車を運転する前に、教習所に通って交通ルールを学び、運転技術を習得して、その証として運転免許証を取らなければならないように、子犬を飼う前に、どのように子犬を育てて、しつけるかを学んでおかなければなりません。

飼い主は気分次第で犬をかわいがったり、叱ったりしてはいけません。自分の感情をコントロールして、常に平常心を失わないように接しなければならないのです。

無理な追い越しをかけられて、カッとして自分も危険な運転をしてしまうことが戒められるように、犬と接する時にも穏やかな気持ちで、感情に流されないようにする心構えを持たなければならないのです。

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