犬と子ども-(3)犬とのふれあいの教育的効果

●子どもと犬がふれあうことの教育的効果

人格形成のために大切な児童期に、しゃべらない犬の世話をする時、その気持ちを読み取ろうとすることは、相手の気持ちを洞察する能力や共感する心を養います。

また、ウンチやおしっこを片付けたり、散歩に連れて行ったりするといっためんどうなことをがんばってすることで、動物の命を預かっている責任感や勤勉性を養うことにつながります。

*好奇心を育てる

何かに好奇心を感じる場合、子どもの心の中には、ある種の「怖さ」や「わくわく感」が混在しています。未知なものを前にして、「上手に扱えなかったらどうしよう」という迷いやドキドキ感があって、それを克服しようとする葛藤があります。

そんな心の中に生まれるハードルを乗り越えた時に、犬からのメッセージを体で受けとることになるのです。

子どもに自分が心地よくなるような「かわいがらせ方」を教えるのではなく、子どもの好奇心を呼び起こすようなふれあいをさせることが大切です。

*責任感を育てる

子どもの成長過程で、責任感を育てるためにペットの飼育が良いと言われます。一般的にこの考えがペットを飼育する効用としてよく掲げられます。

アメリカの研究では、特に男の子にとってはペットの存在は大切だと報告されています。なぜなら、一般的に小さな男の子は、自分より小さな子どもの面倒をみようとしない傾向があるのですが、ペットの面倒は喜んでみるからです。誰かの世話をしたり、何かを育てる心を育むのに役立つのです。

子どもが犬を欲しがったときに、多くの親は「おまえがちゃんと世話ができるのなら・・・」と言って、子どもの「自己責任」を約束させます。しかし、子どもにせがまれて犬を飼い始めたとしても、子どもに犬の世話をまかせきりにしてはいけません。

子どもの多くは、最初だけは犬に夢中ですが、すぐにあきてしまいます。また、子どもは自分の感情をコントロールする「自制心」も未熟で、気分次第の安定しない接し方をすると、犬は混乱してしまいます。

子どもが担うことのできる責任には限界があり、まだ精神的にも肉体的にも未熟である子どもに、ペットの全てをまかせるような考え方はいけません。いっしょうけんめいな子どもであってもペットの世話がたいへんになる時期がきますから、様子を見ながら、無理をさせないように少しづつ責任の範囲を広げていきます。

そして、子どもができない部分は親がカバーしなければなりません。親がしっかりやっている姿を見せることで、子どもは「責任」とは何かを学ぶことができるのです。大人の家族とペットの世話を一緒にやることが子どもにとっては喜びにもなります。

親が、子どもに能力を超えた責任を無理やり持たせようとしたり、子どもと動物の関係を壊したり、動物が病気や死を迎えた時、子どもが心配しているのを無視したりするようなことをしてはいけません。

*子どもに精神的な安定をもたらす

人間は原始時代から目前に動物のくつろぐ姿があれば、その環境は自らにとっても安心してくつろげる場所だと判断したと考えられます。このような感覚が残っていて、私たちは動物から心の安定を得ることができるのではないかと言われます。

9歳~16歳の子どもたちに読書をするように命じました。部屋に犬が一緒にいる場合には、落ち着いて読書をする子どもが多くなったのです.

子どもたちの心に働きかけるために動物とふれあわせるのであれば、動物たちが「良好な状態」でいなければならないのです。もし、動物にとって好ましくない環境で飼育が行われていれば、家庭でも学校でも、その他の施設であっても、そこにいる動物たちは子どもに精神的なマイナスの効果をもたらします。

*喪失感と悲嘆を乗り越える経験をする

子どもがペットに強い愛着を持つようになっていると、そのペットの死は、子どもにとっては人を喪うのと同じくらいの衝撃となります。「死んだのは自分のせいだ」と考えることもあります。

親は動物の命や死について子どもに説明しなければなりませんが、子どもが自ら、その死を受け入れるまでは悲しむ時間を持たせてあげます。そして、大切な友だちをなくした悲しみや怒りから回復するのを見守ります。

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