犬と子ども-(5)事故を防止するために

●子どものいる家庭で犬を飼うときの注意点

子どもへの犬の咬みつき事故でもっとも多いのが、飼い犬によるものです。

5歳から9歳ぐらいまでの子どもが最もリスクが高いと言われています。それは、次のような理由です。

1. 子どもは、犬が噛みつく前に示す唸り声やボディ・ランゲージを理解していない。犬には「服従の笑い」と呼ばれる表情がある。くちびるを水平方向に引いて、歯がむき出しになると、それは攻撃に移るシグナル。

2. 子どもは、食餌中の犬に近づくと攻撃されることを知らない。

3. 子どもの声や行動が犬の攻撃的な行動を引き出す。

赤ちゃんや幼児のむじゃきな行動でも、それが犬にとっては脅威に感じるもので、かみつかれることがあります。乳幼児のいる家庭では、次のような注意が必要です。

1.赤ちゃんと犬だけにしてはいけません。

赤ちゃんがバタバタ足を動かしたりすると、その動きが犬にとっては魅力的な遊びに感じて、ふざけて爪をたてたり、咬んだりすることがあります。また、赤ちゃんが犬を強くつかんだり、抱いたりしたために、嫌がった犬に咬まれることもあります。

2.子どもに犬を触らせるときには、大人が犬を抱っこして。

まず、大人である飼い主が犬を対面する形でだっこします。そして、子どもには、犬の背中をなでさせるようにします。いきなり、頭の上に手を出したりすると、犬がびっくりして手にかみついたりするかもしれません。

3.子どもに犬の顔をのぞき込ませない。

犬に対して正面から近づいたり、顔をのぞき込んで凝視する行為は、犬にとっては脅威になります。身を守るために、吠えて追い払おうとしたり、かみつくといった攻撃的な行動を起こすことがあります。

4.犬が休んでいるときや食餌中は、かまわないで。

犬がハウスでゆっくり休んでいるときや、食餌をしているときには、子どもが手を出したり、むやみにかまったりしないよう、注意をして下さい。犬はじゃま者を追い払おうとして、威嚇したり、かみついたりすることがあります。

5.大声で騒いだり、かけまわったり、犬をいじくりましたりしないように。

子どもが騒いでかけまわったりすると、興奮した犬は追いかけてかみつくかもしれません。かわいいからと子どもが犬をいじくりまわすと、それがストレスになってかみついたり、元気を失くしてしまう原因になったりします。

6.友だちと一緒にあなたの子どもが遊んでいるときには、激しい遊びはさせないで。

自分の家族である子どもが友だちにいじめられていると感じた犬が、その友だちを脅したり、咬みつくことがあります。子どもを守ろうとしているのです。

日本では、「犬は咬んだり引っかいたりする危険な動物だから、そのようなことが起きないように注意しなさい」と子どもに教えます。

欧米では、「犬は臆病だから、怖がらせないないように犬の気持ちを考えて、接してあげなさい」と教えます。

犬の子どもへの咬みつき事故を防ぐために、まず、保護者である大人は「子どもが犬とふれあう時に気をつけなければならないこと」を学ばなければなりません。

また、子どもたちには、犬の表情やしぐさからその感情を見分けたり、犬に安全に近寄る方法、どういう状態の時には犬をじゃましてはいけないか、犬に押し倒されたときにはどうしたら良いかといったことを教えます。

犬が幼児を咬み殺してしまったという痛ましい事故がありました。その犬は殺処分されました。

おとなしく従順だった愛犬が突然凶暴になってしまったことから、その犬の脳に何か異常が起こっていたのではないかと考えた獣医師は、犬の頭部を解剖検査することにしました。そして、なんとその検査で発見されたのは、犬の内耳に刺さっていた折れた鉛筆でした。

子どもが犬の耳に鉛筆を突き立てて、その猛烈な痛みが犬を凶暴にしてしまったのです。

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