犬の食生活-(2)犬の味覚

●犬の味覚

動物は、味とにおいで食べ物の好き嫌いを決めていると考えられています。

味の基本感覚は、甘い、酸っぱい、苦い、塩辛いの4つです。そして、それらが入り混じることで多様な味を感じています。食べ物や飲み物が口に入ってきた時に感じるにおいは、風味として味覚に影響を与えます。

人間や犬の舌の表面には「味蕾(みらい)」という味を感じる感覚器官があります。

味蕾は、花のつぼみのような形をした細胞で、味を感じるセンサーの働きをします。味蕾が味の刺激を受け取って、それが舌咽神経(ぜついんしんけい)と顔面神経(がんめんしんけい)を経由して、脳に伝達されます。

人間が約9,000の味蕾をもっているのに対して、犬の味蕾は約1,700とされ、味蕾は舌に分布している舌乳頭にあります。

「有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)」

酸味を感じる。舌全体にあるが、酸味を感知できるのは舌のつけ根にある有郭乳頭のみ。

「葉状乳頭(ようじょうにゅうとう)」

塩辛さを感じる。舌の外側の縁に分布している。

「茸状乳頭(じょうじょうにゅうとう)」

甘味と塩味を感じる。舌の先端にある。

犬の舌には、甘みを感じる味蕾の数がもっとも多く、犬はシステイン、プロリン、リジンなどの甘いアミノ酸を好みます。

次に多いのが酸っぱさを感じる味蕾です。犬は塩辛さに対する感受性は弱く、苦さは嫌うとされています。

味蕾の数は年をとるにつれて減っていくので、老年になると味覚に対する感受性が低下します。

犬の場合、離乳前後に口にした食べ物の味がその後の嗜好を決めると言われ、離乳期にいろいろなものを食べるほど、嗜好の幅が広がるとされています。

人間の場合には、食べ物の温度は、味覚を左右する要因のひとつですが、犬は温かいものでも冷たいものでも喜んで食べるので、食べ物の温かさは犬の味覚には関係ないと考えられています。

ただし、暖めた食べ物から発するにおいには、食欲をそそる効果があると言われます。

アメリカで実施された犬に対する嗜好テストでは、好きな食肉の順番は、牛肉→豚肉→羊肉→鶏肉→馬肉という結果でした。でも、食べ物に対する嗜好は個体差が大きいと考えられています。

犬は、これまで口にしたことのない食べ物、新しい味に対しては好奇心が強いといわれますが、一度、食べてみて、口に合わずに吐いたりしたものは、その後、二度と食べようとしません。これは、「味覚忌避(みかくきひ)」の習性と呼ばれます。

嫌な食べ物の記憶が残るのは、それが生存そのものに関与する重要なことだからと考えられています。

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