犬の食生活-(7)口腔耐性

●胃腸器官の免疫バリア「口腔耐性」

消化器官の免疫バリアは、「口腔耐性」と呼ばれます。

全ての動物は、生まれながらに口腔耐性を持っているわけではなく、成長とともに獲得していきます。しかし、アレルギーや過敏症の発症で、獲得した口腔耐性が失われることもあります。

胃腸器官の粘膜上皮に免疫バリアが十分に発達するのは、生後6週間(42日)以降ではないかと考えられています。

それ以前に母乳以外の新しい食べ物を与えると、未消化の成分が腸粘膜を通過して体内に入り、それを異物とみなす拒否反応、アレルギー反応が起こる可能性があります。

つまり、食物アレルギーは、子犬がいつ離乳したかが関係しているのです。

口腔耐性には、2つの要素があります。

① 異物から体を守るために作られた特別な抗体(IgA)
粘膜の表面に分泌されて、皮膜のように表面を覆っている。抗体は、異物と結合して、それが粘膜から侵入するのを防ぐ。この抗体が少なくなるとアレルギーの感受性が高まる。

② 免疫反応を抑制するリンパ球(免疫細胞)
他のリンパ球が異物に対して抗体を作ったり、過敏症反応を起こす働きを抑制する。

離乳期に入ったとたんに、完全に母乳を止めてしまうと、子犬は、口腔耐性を発達させられなくなります。この点からも、子犬をあまりにも早い時期に母犬から離して、離乳させてしまうことは好ましくないと考えられます。

口腔耐性を確実に獲得させるためには、まず、消化性の良い1種類の食べ物を与えることから始めます。少ない量を何回かに分けて与えることで、その食べものが完全に消化されるようにすれば、未消化のまま吸収されてしまう可能性を小さくできます。

子犬にとって消化しやすい食べものは、ごはん、大豆のタンパク質、肉のタンパク質、ミルク、調理された卵です。

ごはんは、ほぼ100%消化できます。

最初に与えた食べものへの口腔耐性ができてから、次に消化しやすい2つ目の食べものを与えるようにします。このようにすれば、アレルギーや胃腸障害を起こさずに、子犬を離乳させることができます。

一般に市販されているドッグフードのように、多くの原材料でできている食べものを与えられれば、ひとつの原材料に対する口腔耐性ができたとしても、その他の原材料は、未消化のまま吸収されて、アレルギーが起きてしまう可能性があると指摘されています。

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