犬の食生活-(10)食物アレルギーの治療と予防

●食物アレルギーの治療と予防

タンパク質がアレルゲンの場合には、これまでずっと食べていたフードに含まれている肉類以外の原材料が使われているフードに切り換えます。

療法食の低アレルギー食には、カンガルーやナマズといった新奇タンパクが使われています。その他にも、ラム(子羊肉)や鹿肉、馬肉で作られたフードもあります。

一度に数種類のタンパク質を与えると、アレルギー症状が出た場合にそのアレルゲンが特定しにくくなります。

また、タンパク質が十分に消化されずに、大きい分子のままで腸から吸収されるとアレルギー反応を起こしやすくなります。犬にとって消化しやすい食材を選んで与えることも予防になります。

酸化が進んでしまったドッグフードは、皮膚の細胞にも悪影響を与えるので、開封後の保存には十分に注意が必要です。

大袋で購入せず、早く使い切れる1~2kg入りの小型パックにすることが勧められます。

皮膚のバリア機能を強化する栄養素を与えることで、皮膚症状を抑えることができます。

α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)、IPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、ビフィズス菌、乳酸菌、ビタミンC、ナイアシンなどが勧められています。

腸内細菌のバランスが崩れるとアレルギーになりやすい

「アレルギー体質は腸で作られる」と言われることがあります。

腸内には、膨大な数の腸内細菌が棲みついていて、それらが腸の粘膜を刺激することで、腸は正常に働くことができると言われています。通常では、腸内細菌の構成は、善玉菌が10に対して、悪玉菌が1というバランスですが、そのバランスが崩れてしまうとアレルギーが起こりやすいという研究結果が報告されました。

腸内細菌のバランスがとれているということは、善玉菌が悪玉菌よりも多く存在していて、なおかつ、弱酸性の環境に保たれていることです。

腸管には、全身のリンパ球の6割が集まり、抗体全体の6割が生産されていると考えられています。腸内細菌のバランスが崩れると、免疫力が低下してしまうのです。

腸内免疫システムをつかさどっている細胞、「ヘルパーT細胞」には、「Th1型」と「Th2型」の2種類があって、腸内細菌のバランスがとれているとヘルパーT細胞のバランスがとれ、腸管免疫のシステムは正常に働きます。

しかし、腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れるとヘルパーT細胞がアレルゲンに対して異常な反応を示すようになり、それがかゆみなどを伴った炎症を起こす、いわゆるアレルギー反応として表れます。

代表的な善玉菌は、ビフィズス菌とラクトバチルス菌です。ビフィズス菌は腸内で、ブドウ糖を分解して、乳酸と酢酸を作ります。ラクトバチルス菌は、ブドウ糖を分解して、乳酸を作ります。どちらも、乳酸を作りだすもので、身体に良いと言われる乳酸菌です。

腸内細菌のバランスを正常に保つのに役立つのが乳酸菌で、プロバイオティクス製剤と呼ばれるサプリメントとしてアレルギー治療に使われ始めています。

プロバイオティクスとは、「身体に良い影響を与える微生物(生菌)」の総称で、腸内で増えすぎた悪玉菌に対抗するため、善玉菌を補給するという考え方です。

オリゴ糖は、ビフィズス菌を増やす働きがあります。プロバイオティクスの働きを活性化する成分を、「プレバイオティクス」と呼びます。乳酸菌の働きを助ける効果があるビタミンB群も、プレバイオティクスです。

カテゴリー: 犬の食生活   パーマリンク

コメントは受け付けていません。