犬の栄養学-(22)乳糖不耐症

乳糖(ラクトース)は、哺乳動物の乳に含まれる成分です。乳糖を分解する消化器官の酵素は、ラクターゼと呼ばれ、その量が多いか少ないかで、牛乳や乳製品に含まれる乳糖を消化できるかどうかが決まります。

人間でも犬でも、哺乳動物は、乳児期には小腸の粘膜で分解酵素のラクターゼが作られるので、母乳を消化できます。しかし、離乳期を過ぎると、ラクターゼの分泌が止まるので、乳糖のほとんどが消化されず、下痢を起こすようになります。

乳糖を分解できず、下痢をしてしまうことを「乳糖不耐症」と呼びます。

母乳に含まれる乳糖の割合

牛乳     5.0% (カッテージチーズは、2.5~3%)

ヤギミルク 4.1%

イヌミルク  3.1%

ネコミルク 4.2%

ヒトミルク  9.0%

個体差はありますが、犬では、体重1kg当り20ml以上の牛乳を飲ませると下痢になるという研究報告があります。牛乳を加熱しても、乳糖は分解されないので、ホットミルクでも下痢をします。

乳糖は、胃では吸収されず、小腸まで運ばれます。小腸の粘膜上皮に存在するラクターゼが乳糖をブドウ糖(グルコース)とガラクトースに分解して、それらを腸管から体内に吸収します。

ラクターゼの量が少なく、小腸で乳糖が分解・吸収されないと、乳糖は、大腸に達します。そして、大腸にいる腸内細菌の働きで、乳糖は発酵するので、ほんらいは腸の壁に吸収される水分が残留したり、あるいは腸管の活動が活発になることで、下痢(浸透圧性下痢)を引き起こします。

ヨーグルトや乳酸菌飲料などの発酵乳製品は、製造過程でブルガリア菌やサーモフィラス菌などの乳酸菌の働きで、乳糖の20~40%が乳酸に分解されているので、乳糖不耐症でも下痢になりにくいと言われます。

カッテージチーズは、製造過程で、ホエー(乳清)と一緒に乳糖が取り除かれるので、乳糖不耐症の犬にも与えることができます。

カッテージチーズの作り方

1.牛乳を鍋に入れて、沸騰しないように温める(50℃~60℃)

2.牛乳が温まったら、火から下ろして、40℃になるまで3~5分ほど冷まして、レモン汁を入れる

3.ザルに布巾を敷いて、液を漉して、固形物=カッテージチーズを作る

犬用ミルク

一腹で産まれた子犬の数が多かったりすると、子犬が母乳を十分に飲めないことがあります。牛乳は、子犬にとっては乳糖の割合が高すぎて、下痢や嘔吐などの消化器症状を起こすことがあり、エネルギー量が低すぎるので、十分な栄養を摂ることもできません。

「犬用ミルク」は、犬の母乳に近い栄養成分が含まれていて、子犬の未熟な消化器官でも消化吸収できるように乳酸菌などが配合されています。

犬も、老齢になると、筋肉量が落ちて、それにつれていろいろな機能も低下してきます。そこで、良質なタンパク質を摂取することが大切になりますが、消化力が落ちていると十分に栄養を吸収できないので、犬用ミルクを与えることが勧められます。

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