フィラリア症の予防

フィラリア(犬心臓糸状虫症)は心臓や肺動脈に寄生する寄生虫で、感染すると治療がむずかしく、命にかかわります。蚊が媒介して感染します。
1.フィラリアの生態とフィラリア症

犬の右心室や肺動脈に寄生しているフィラリアの成虫は、ミクロフィラリアという仔虫を産みます。蚊がその犬を吸血すると、ミクロフィラリアが蚊の体内に取りこまれます。
2回脱皮したミクロフィラリアは約2週間で体長1ミリの感染子虫になります。
蚊が別の犬を吸血した時に、その感染子虫がその犬の皮下に侵入し、さらに筋肉内へ入り成長していきます。そして、3~4ヶ月の幼虫になると静脈内に移り、脱皮を繰り返しながら成虫になり、85~120日かかって、最後に心臓の右心室や肺動脈に寄生します。

フィラリアが多数寄生すると、犬は特有の咳やしゃがれ声を出すようになり、嘔吐や吐血が見られたり、腹水が腹部や胸部を圧迫して食欲が低下し、呼吸も荒くなるなどの症状が出ます。治療がむずかしく、衰弱が進んで死亡することも多いのです。

かつてはフィラリア症はイヌ科の病気とされていましたが、フェレットやアザラシ、人間にも発見され、ネコにも寄生することがわかりました。
2.フィラリアの予防

予防しなかった場合の感染率は、1年経過で38%、2年で89%、3年で92%という数字が報告されています。
蚊の活動が始まる1ヶ月前から予防薬を投与し始め、活動が終わる時期から1ヶ月後まで飲ませます。地域によって蚊の活動期間には差がありますが、地球温暖化の影響もあって最近は、だいたい4月から12月までの間、予防薬を継続して与えます。

月に一度服用させる予防薬には、抗生物質、アイバメクチン、ミルベマイシン、モキシデックなどがありますが、どれもミクロフィラリアが脱皮するのを止める薬です。

これらの薬(モキシデックを除く)は、すでにフィラリアが寄生している犬に与えると、副作用を起こすおそれがあります。予防薬によって、血液中の幼虫が急速に死ぬため、循環不全を起こすのです。

そのため、予防薬を投与する前に血液検査を行い、フィラリアが寄生していないかどうかを確認する必要があります。

フィラリアの予防薬は安全性が高いものですが、コリーやシェットランドシープドックなどでは、定められた量を投与したにもかかわらず、副作用が出ることがあります。 

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