ドッグフードの栄養学-(23)栄養成分・脂肪

●脂肪 -エネルギーをつくり、皮膚や毛を健康に

たんぱく質や炭水化物に比べて2倍以上のエネルギーがある脂肪は、最も高いエネルギー源と言われます。脂肪は、大切な3つの働きを持っています。

* 脂溶性ビタミンの吸収を助ける

*食物の嗜好性を高める

* 必須脂肪酸(リノール酸、γーリノレン酸、アラキドン酸)=多価不飽和脂肪酸を供給する。

必須脂肪酸は、アレルギーや関節炎、皮膚炎、炎症、心臓病、ノミアレルギー、自己免疫疾患、腎臓と神経系の疾患、がんなどの症状を抑える働きがあります。

すなわち、皮膚の成長、再生や全身の機能のコントロールといった役目を担っていて、それが欠乏すると脱毛、皮膚病、繁殖能力の低下といった症状が現れます。

皮膚病では、被毛の乾燥、フケ、脱毛がひどくなり、かゆみや臭いが強くなります。皮膚の脂を分泌する皮脂腺の働きが活発になって、皮膚、耳孔、指間があぶらぎってきて、そのため、皮膚の脂肪皮膜が変化して、皮膚の細菌やカビの感染がおきるためです。

脂肪は、オメガ6必須脂肪酸とオメガ3必須脂肪酸のふたつに大別されます。

●オメガ6脂肪酸

細胞膜が適切に働くようにします。細胞の炎症に関与したり、免疫を抑制する働きもあります。

リノール酸はオメガ6脂肪酸の一種で、成長や傷の治癒、肝機能やその他の活動を助ける働きがあります。紅花、大豆、コーンなどの植物油にはリノール酸が含まれています。

γ-リノレン酸は月見草など一部の植物にしか含まれていませんが、犬はリノール酸をγ-リノレン酸に変換することができ、さらに、リノール酸を体内でアレキドン酸に変えることができます。

アレキドン酸には、血液を凝固させたり、被毛の状態を良くしたり、心臓と目の健康や生殖をサポートするような働きがあります。ベニバナ油、トウモロコシ油、鶏脂などに多く含まれています。

●オメガ3脂肪酸

細胞の炎症を軽減させる働きがあります。免疫を抑制する働きはありませんが、細胞レベルで免疫系を促進させる働きがあると考えられています。

ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などがオメガ3脂肪酸で、マツヨイグサや魚、亜麻仁油、キャノーラ油などに多く含まれています。これらは、アレルギー性皮膚炎を長期間抑制する効果があります。オメガ3脂肪酸は、不安定で傷みやすく、熱や光に弱いので、それらのオイルやドッグフードは冷暗所で保管するようにします。

オメガ3脂肪酸は、もともとは母犬の母乳に含まれているものです。

子犬の脳の容量は離乳時で約70%しかなく、その後の脳の成長はフードによって大きな影響を受けます。脳の60%は脂肪でできていて、その中で最も多くの割合を占めているのはオメガ3脂肪酸のひとつであるDHAなので、それが含まれているフードは、子犬の脳の成長のために好ましいということになります。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率は、5対1~10対1の範囲になることが好ましいとされます。

必須脂肪酸の欠乏は、低脂肪のドライフードや、高温、高湿下で保存されていたために脂肪の酸化がすすんでしまったフードを与えられている犬に起こることが多いと報告されています。

酸化した脂肪分を摂りつづけると、下痢や食欲不振を起こすほか、体内のビタミンAやビタミンEを破壊するので、フードはきちんと管理しなければなりません。

ドライフードの粗脂肪の含有率をよくチェックして購入すること、1~2kgパックといった小袋で購入し、開封したら酸化させないように密閉容器に入れて冷暗所に保存しながら、早く使い切るようにしましょう。

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