犬の栄養学-(1)栄養とは何か

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チワワ♂ピッピ

ユニクドへの160番目のお客様は、チワワ♂ピッピです。

生年月日 : 2014年1月24日

毛色    : トライカラー

とてもかわいいチワワの男の子です。ハンディがありますが、もちろん本犬はそんなことにはおかまいなく、ちょっと小生意気な元気印です。

ピッピは、出産時の事故のために、右前足を除いて、他の3本の足の指がありません。普通に歩くことはできませんが、ピョンピョン跳ねるようにして、けっこう早く動きまわれます。一般のペットの流通ルートには乗ることができなかったため、ユニクドに来ました。

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ドッグフードの栄養学-(30)成長に合わせたフード選び

●子犬の成長段階に合わせたフードを選ぶ

小型犬種の場合、生後10ヶ月齢になるまで、1日20gずつ体重が増え続けるので、誕生時の体重に比べておよそ20倍にまで成長すると言われています。

第1段階 離乳期から成長中期(5ヶ月齢ぐらい)までのドッグフード

1ヶ月~5ヶ月齢の旺盛な成長期の子犬には、タンパク質や脂肪の含有比率の高いドッグフード(パピー用フード)を与えます。子犬が成犬の大きさの半分になるまでは、約2倍のエネルギー量を必要とします。

また、骨格の健全な成長のためにはリンとカルシウムを最適なバランスで摂取することが大切です。(リン1に対して、カルシウム1.2~1.5の比率)

第2段階 5ヶ月齢以降、緩やかな成長期の子犬のドッグフード

小型犬は大型犬に比べると成長速度が速いとされています。

成犬になるまでの生後月齢

・5.5Kgまでの犬    ~6ヶ月齢

・9.0Kgまでの犬    ~9ヶ月齢

・20.5kgまでの犬  ~15ヶ月齢

・大型~超大型犬    ~24ヶ月齢

タンパク質や脂肪の含有比率は、パピー用よりはやや低いものになりますが、成犬のエネルギー量の1.5倍を必要とします。

成長が緩やかになるこの時期にパピーと同じようにカロリーを摂取させ続けると、肥満になったり、骨格の発達に悪い影響を及ぼしたりします。

第1段階から第2段階に移るときに、代謝エネルギーの低い「緩やかな成長期の子犬用フード」に変える場合と、同じ子犬用のフードを引き続き与えながら、給餌量を少なくすることで摂取カロリーを適正なものにする場合があります。

リンとカルシウムのバランスは、1対1.3比率が最適です。

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ドッグフードの栄養学-(29)免疫力サポート食材

●免疫力をサポートする栄養素とそれが含まれる食材

病気や感染から体を守る免疫機能は、子犬の場合、生後数ヶ月で完成すると考えられます。

免疫機能は次の二つに分けられます。

細胞性免疫 :

異物(抗原)を認識し、直ちに防御を開始する細胞(Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ)

体液性免疫 :

生体内を循環し、毒素及び微生物と結合することで、これらを中和する抗体

抗酸化栄養素はこれらの免疫機能を高めるもので、ルチンやベータカロチンはワクチンの抗原認識を最適化する働きがあって、初めて予防接種を受ける子犬にとって大切なものです。

ビタミンA

免疫増強(抗体を作る力を活性化する)

ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、卵黄、レバー

ビタミンC

抗酸化作用(細胞膜を障害するフリーラジカルを中和する)

パセリ、ダイコン、トマト、ジャガイモ、サツマイモ

ビタミンE

抗酸化作用(脂質の過酸化を抑制して生体膜を保護する)

レタス、卵、カボチャ、モロヘイヤ

亜鉛

免疫増強(リンパ球を作る)、抗酸化作用(抗酸化酵素の活性化)

牛肉、レバー、貝類、ニンジン、マイタケ、昆布、大豆

アミノ酸

マクロファージの原材料になる

牛乳、卵、肉類、魚介類、大豆

オメガ3脂肪酸

免疫増強(リンパ球の活性)

魚類(サケ、イワシ、ニシンなど)、卵、赤み肉

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ドッグフードの栄養学-(28)抗酸化成分

●抗酸化成分(抗酸化栄養素)

嗜好性を高めるために、ドライフードには脂肪が吹きつけられていますが、脂肪の腐敗を防ぐために「保存剤」が添加されています。抗酸化剤はすぐれた保存剤でもあるのです。

合成の保存剤を使わずに、ビタミンCとビタミンEを使っているのは、消費者の要望が強いからと言われていますが、抗酸化剤としてビタミンの方が優れているという科学的な根拠はありません。

また、天然の抗酸化剤は合成のものに比べて、その効果が長続きしないので、密閉した容器に入れて、乾燥した涼しい場所で保存する、製造年月日から6ヶ月以内に使用することなどが必要です。

抗酸化成分は、体内の他の物質を酸化させて細胞の働きを低下させる「活性酸素」の働きを抑制するものです。

ビタミンC、ビタミンE、ルチン(ルテイン)やベータカロチンなどのカルチノイドが抗酸化剤として働きます。トマトに含まれているリコピンにも効果があります。

ビタミンC(アスコルビン酸)

子犬の関節が成長するときに必要とされるコラーゲンの形成に必要です。また、抗ストレス作用の他に、感染予防、解毒作用といった免疫機能を高める役割もあります。

犬は自ら肝臓で糖からビタミンCを作ることができるので、補給する必要はないと言われていましたが、最近は成長期には補う必要性があると考えられています。

ビタミンCは余分に摂取しても水溶性であるため、対外に排出されますが、一度に過剰に摂ると消化不良の原因になります。

ビタミンE

ビタミンEは、ミネラル成分であるセレンとともに、抗酸化剤としての働きをして、フリーラジカル(細胞膜を破壊する原子、分子)を中和します。

皮膚疾患には、ビタミンEが効果を持つとされ、ダックスフントの黒色表皮肥厚症(脱毛と皮膚に過剰な色素沈着が起こる病気)の炎症を抑えるとされます。

また、血管、心臓、神経の疾患にも効果があり、ストレスや栄養失調、病気やケガなどから細胞を守ったり、循環機能の働きを増進する働きがあります。

犬の体内では生成されないので、補給する必要があります。

ビタミンEは脂溶性なので、余分に摂取すると体内に蓄積されてしまうため、大量に摂取すると体調を崩す原因になります。

抗酸化栄養素は、予防接種の効果をあげるために必要とされる成熟した免疫機能を作ることにも貢献します。

「免疫」とは、細菌やウィルスの体内への侵入を防ぎ、また体内に侵入しても悪さをしないように抑える身体の働きです。

血液成分の内、主に白血球がその役割を担っていますが、免疫力は、年齢やストレス状態などの要因にも影響されると言われます。

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ドッグフードの栄養学-(27)ミネラル

●ミネラル-発育と骨格の維持、細胞膜と神経・筋機能を健康に保つ

犬の体の約4%がミネラルと呼ばれる基本的な化学成分からなっています。代表的なものが、カルシウムとリンで、骨と血液中に認められ、しっかりした骨や歯を作るのに役立ちます。

リンよりもカルシウムを多く必要とするので、リン1に対するカルシウムの比率は1.2対1.4とされます。ただし、長期間、カルシウムを過剰摂取すると亜鉛欠乏症となり、骨が変形することがあります。

トレースミネラルと呼ばれる、体が微量に必要としているミネラルがあり、代表的なものは、銅、亜鉛、マンガンなどです。微量でも免疫機能を高める作用があるため、子犬にとって大切な成分です。体内では生成できないので、補給する必要があります。

ミネラルは胃の中でアミノ酸に包まれて「キレート化」されることで、腸で吸収される形になります。

大型犬や老齢犬には、ミネラルを摂取することはとても大切です。

ビタミンやミネラルを加える場合には、注意が必要です。一部の栄養素が多くなりすぎると他の栄養素の吸収が低下してしまうからです。どんな場合でも、一種類のビタミンやミネラルを大量に与えてはいけません。

マグネシウム

カルシウムやリン、ナトリウムのバランスを正常に保つといった働きがあります。また、筋肉の収縮や神経の刺激伝達にも役立ちます。

セレン

心臓の筋肉など体の組織を健康に保つ役割を果たします。ビタミンAやC,Eなどの他の抗酸化物質や微量元素の亜鉛やマンガン、銅などとの相互作用もあります。セレンは重金属に属す中毒性があるもので、食物中に必要とされるのは微量です。

銅と鉄

銅は肝臓に含まれていて、鉄とともに赤血球で酸素を全身に運びます。

亜鉛

皮膚と味蕾を正常に保ち、免疫系を効果的にする働きがあります。また、多くの酵素の機能を円滑にしたり、アンモニアの老廃物を解毒する役割があります。

食べ物中の亜鉛が欠乏すると、皮膚や被毛にトラブルが生じます。原料として肉類が少なく、穀類が多く使われているドライフードは亜鉛の含有量が不足しているので、そのようなトラブルが多いと報告されています。そのため、亜鉛欠乏症は「乾燥ドッグフード疾患」と呼ばれます。

ヨード

甲状腺でホルモンを作るのに必要とされます。甲状腺の機能が低下して、甲状腺ホルモンが欠乏する疾患は犬では最もよく見られるホルモン疾患です。まれに、食べ物の中のヨードの不足が原因になることもあります。

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ドッグフードの栄養学-(26)ビタミン

●ビタミン-新陳代謝を活性化する

食べ物は、化学反応を通してエネルギーに変えられます。それを代謝と呼びますが、代謝によって、主要栄養素であるタンパク質、脂肪、炭水化物が化学成分になって、体内で使われたり蓄積されたりするのです。

このような反応や血液凝固などの身体に必要とされるいろいろな機能は、微量栄養素であるビタミンやミネラルの働きに助けられます。

ビタミンは脂溶性と水溶性に分かれます。

●脂溶性ビタミン(A,D,E,K)

食べ物の脂肪から摂取され、肝臓に蓄えられます。

ビタミンA

皮膚や視力の健康を保つ。犬は動物の肝臓を食べることで摂取しますが、植物の細胞にあるカロチノイドからビタミンAをつくることができます。

魚油や牛乳、卵黄にもビタミンAが多く含まれています。

コッカスパニエルは、皮膚がベタベタする脂漏症になることがありますが、ビタミンAが効果的です。同じようにラブラドール・レトリーバーやミニチュア・シュナウザーの皮膚病の改善にも効果があります。

ただし、ビタミンAの過剰摂取は中毒を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

ビタミンD

体内のカルシウムとリンの濃度バランスを保ち、健康な骨と歯を作る手助けをします。

犬は皮膚でビタミンDを合成できることから、日光浴不足でビタミンDの合成が十分にできなかったためにクル病になると言われていましたが、現在ではドッグフードにビタミンDが十分に含まれているので、クル病はめったに見られなくなりました。

逆に過剰摂取すると軟部組織にカルシウム沈着を起こしたり、骨格の変形を招いたりします。

ビタミンK

血液の凝固に大切な役割を果たします。一部は腸内細菌によっても作られるので、善玉の腸内細菌を増やすことが有効です。

●水溶性ビタミン(ビタミンB群、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC)

さまざまな食べ物から摂取することができますが、限られた少量が体内に蓄えられ、余剰分は体外に排出されます。

ビタミンB群

B1(チアミン)、B2(リボフラビン)、ナイアシン、パントテン酸、B6(ピリドキシン)、ビタミンH(ビオチン)が含まれます。

細胞の働きを調節する酵素にとって大切なもので、ほとんどは腸の細菌によって合成されます。

ビタミンB1

骨髄で赤血球が作られるとき、葉酸と炭水化物を利用するときに必要です。

神経系の機能を維持する役割も果たします。

肝臓、腎臓、肉、卵等に含まれています。

葉酸

心血管系の疾患や皮膚疾患には、葉酸を与えることに効果があるとされます。
ビタミンBの一種で、犬の腸内細菌によって作られます。

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ドッグフードの栄養学-(25)食物繊維

●食物繊維-快便のために

食品に含まれている、消化酵素で消化されない成分のことです。一般に植物由来で、セルロース、ペクチン、リグニンなどの食物繊維と呼ばれるものです。

食物繊維の供給源としては、全粒穀類、根菜類、果物などがあります。

食物繊維は体の構成成分やエネルギー源にはならないので、かつては役に立たない食べかすと考えられていましたが、実は唾液や胃液の産生を促す、便秘、糖尿病、肥満、炎症性の腸疾患、血液中の余剰脂肪に対して、それらを予防したり、治したりするのに役立っていることがわかったのです。

少量の繊維質は栄養素の吸収を促進しますが、過剰に摂ると、小腸で脂肪やコレステロールが吸収されるのを阻害します。

そのため、良質な繊維質を少量摂ることが好ましいのです。

水溶性食物繊維

調理した野菜や米類などに含まれていて、食べ物の粘り気を増します。

その結果、食べ物が胃の中に長くとどまることになり、小腸での消化と栄養の吸収がゆっくりと行われるのです。

熟した果物の多く含まれるペクチン類、海藻に多く含まれるアルギン酸などの海藻多糖類なども水溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維

糟やふすまなどの不溶性の食物繊維は、水分を含んだ便の量を増やしてくれるので、排便をスムーズにします。

野菜や穀類、豆類に含まれるセルロース、ココアや豆類に含まれるリグニン、エビやカニの殻に含まれるキチンなども不溶性食物繊維です。

また、線維質には非発酵性と発酵性があります。

非発酵性線維質

未消化のままで腸を通過することで、「かさ」を与え、便の排泄を促進します。「セルロース」

発酵性線維質

腸のなかで発酵し、危険な細菌を退治してくれる線維です。

また、腸内で腸内細胞にエネルギーを供給する短鎖脂肪酸に分解されます。

適度な発酵性の線維質は、「かさ」を増やして便の排泄を促進すると同時に、腸内細胞にエネルギーを供給するという二つの働きをします。

ビートパルプ

ビートパルプは、砂糖大根から砂糖の抽出した残りですが、糖分は含まれていません。

安全性の高い線維資源とされます。腸内で水分を吸って膨張し、栄養素の消化・吸収をする時間的な余裕を作ります。

犬や猫では、ごく少量の食物繊維が糞便量を決めるので、便秘や下痢の予防にも有効です。

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ドッグフードの栄養学-(24)栄養成分・炭水化物

●炭水化物 -エネルギー補給のために

炭水化物は、糖質と繊維質に分けられます。

炭水化物は、犬にとっては自然のエネルギー源ではないのですが、それを糖に変換することができます。

糖質は、皮下脂肪に中性脂肪となって蓄えられたり、グリコーゲンとして筋肉に蓄えられ、それらがエネルギーとしてつかわれるのです。

グレイハウンドはこのグリコーゲンを多く蓄えるといわれていますが、他の犬種でも妊娠中や授乳中のメス犬にとっては、即効性のあるエネルギー源になります。

肝臓に蓄えられたグリコーゲンには、肌荒れを防止する作用があるといわれます。

糖質の一部は血糖として存在し、脳細胞への唯一のエネルギー源になります。

一般的な炭水化物源は「でんぷん」です。調理したジャガイモのでんぷんは、消化が良いとされます。

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ドッグフードの栄養学-(23)栄養成分・脂肪

●脂肪 -エネルギーをつくり、皮膚や毛を健康に

たんぱく質や炭水化物に比べて2倍以上のエネルギーがある脂肪は、最も高いエネルギー源と言われます。脂肪は、大切な3つの働きを持っています。

* 脂溶性ビタミンの吸収を助ける

*食物の嗜好性を高める

* 必須脂肪酸(リノール酸、γーリノレン酸、アラキドン酸)=多価不飽和脂肪酸を供給する。

必須脂肪酸は、アレルギーや関節炎、皮膚炎、炎症、心臓病、ノミアレルギー、自己免疫疾患、腎臓と神経系の疾患、がんなどの症状を抑える働きがあります。

すなわち、皮膚の成長、再生や全身の機能のコントロールといった役目を担っていて、それが欠乏すると脱毛、皮膚病、繁殖能力の低下といった症状が現れます。

皮膚病では、被毛の乾燥、フケ、脱毛がひどくなり、かゆみや臭いが強くなります。皮膚の脂を分泌する皮脂腺の働きが活発になって、皮膚、耳孔、指間があぶらぎってきて、そのため、皮膚の脂肪皮膜が変化して、皮膚の細菌やカビの感染がおきるためです。

脂肪は、オメガ6必須脂肪酸とオメガ3必須脂肪酸のふたつに大別されます。

●オメガ6脂肪酸

細胞膜が適切に働くようにします。細胞の炎症に関与したり、免疫を抑制する働きもあります。

リノール酸はオメガ6脂肪酸の一種で、成長や傷の治癒、肝機能やその他の活動を助ける働きがあります。紅花、大豆、コーンなどの植物油にはリノール酸が含まれています。

γ-リノレン酸は月見草など一部の植物にしか含まれていませんが、犬はリノール酸をγ-リノレン酸に変換することができ、さらに、リノール酸を体内でアレキドン酸に変えることができます。

アレキドン酸には、血液を凝固させたり、被毛の状態を良くしたり、心臓と目の健康や生殖をサポートするような働きがあります。ベニバナ油、トウモロコシ油、鶏脂などに多く含まれています。

●オメガ3脂肪酸

細胞の炎症を軽減させる働きがあります。免疫を抑制する働きはありませんが、細胞レベルで免疫系を促進させる働きがあると考えられています。

ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などがオメガ3脂肪酸で、マツヨイグサや魚、亜麻仁油、キャノーラ油などに多く含まれています。これらは、アレルギー性皮膚炎を長期間抑制する効果があります。オメガ3脂肪酸は、不安定で傷みやすく、熱や光に弱いので、それらのオイルやドッグフードは冷暗所で保管するようにします。

オメガ3脂肪酸は、もともとは母犬の母乳に含まれているものです。

子犬の脳の容量は離乳時で約70%しかなく、その後の脳の成長はフードによって大きな影響を受けます。脳の60%は脂肪でできていて、その中で最も多くの割合を占めているのはオメガ3脂肪酸のひとつであるDHAなので、それが含まれているフードは、子犬の脳の成長のために好ましいということになります。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率は、5対1~10対1の範囲になることが好ましいとされます。

必須脂肪酸の欠乏は、低脂肪のドライフードや、高温、高湿下で保存されていたために脂肪の酸化がすすんでしまったフードを与えられている犬に起こることが多いと報告されています。

酸化した脂肪分を摂りつづけると、下痢や食欲不振を起こすほか、体内のビタミンAやビタミンEを破壊するので、フードはきちんと管理しなければなりません。

ドライフードの粗脂肪の含有率をよくチェックして購入すること、1~2kgパックといった小袋で購入し、開封したら酸化させないように密閉容器に入れて冷暗所に保存しながら、早く使い切るようにしましょう。

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ドッグフードの栄養学-(22)栄養成分・たんぱく質

ドッグフードに含まれる栄養成分

●たんぱく質-成長と筋肉の発達のために

たんぱく質は、生きていくためには欠かせないものです。筋肉や骨、皮膚や体毛はもちろん、酵素や新陳代謝をつかさどるホルモン、病気から体を守る抗体なども、全てたんぱく質です。また、栄養素を体中に運んだり、エネルギー源として使われます。

体内に取り込まれたたんぱく質は、消化酵素によってアミノ酸に分解されて、毛細血管から吸収され、全身に運ばれます。そして、体内で再び、たんぱく質を形成し、さまざまな体の働きを担うことになります。

アミノ酸には、体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、体内では合成できない「必須アミノ酸」とがあります。必須アミノ酸は欠かせないもので、食物から摂るしかありません

非必須アミノ酸:

アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン

必須アミノ酸 :

アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン(シスチン)、フェニルアラニン(チロシン)、スレオニン、トリプトファン、バリン

* 非必須アミノ酸に分類されているシスチンとチロシンは、それぞれ必須アミノ酸であるメチオニンとフェルアラニンの必要量の50%程度を供給することができるとされます。

たんぱく質が足りなくなると、体毛がパサパサになったり、食欲が落ちて体重が減って、病気にかかりやすくなります。特に成長期やケガをした時には、新しい体の組織を作るためにより多く必要になります。

犬の被毛の成分の95%はタンパク質でできていて、その成長は全体で1日、30メートル、1日のタンパク質の必要量の30%を消費するという報告もあり、健康な被毛を維持するためにも、タンパク質を摂ることは大切になります。

たんぱく質には動物性と植物性がありますが、最も高品質なたんぱく質が含まれているのは、たまごと牛乳です。必須アミノ酸もたくさん含まれていて、消化率も90~95%あります。

消化率とは、食べものからどれだけの栄養分を吸収できるかを示す割合のことです。

ただし、牛乳の乳糖を分解できない犬も多く、たまごや牛乳ばかり与えるのは、栄養バランス上、好ましくありません。

植物性たんぱく質は、大豆以外は動物性に比べてアミノ酸のバランスも悪く、消化率も70%程度です。

犬が質の良いたんぱく質を効率良く摂れるのは、肉や魚からということになります。

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ドッグフードの栄養学-(21)栄養成分の推奨モデル

●栄養成分の推奨モデル

人間の食品は、一定の食材を提供します。

ドッグフードは、一定の栄養成分を提供しています。

パッケージには、粗たんぱく質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の5つの成分表示が義務づけられています。

フード(乾燥重量)中の推奨レベル(小動物の臨床栄養学より)

若齢~中齢成犬

エネルギー密度    3.5~4.5Kcal/g

たんぱく質       15~30%

脂肪           10~20%

粗繊維         ≦5%

ナトリウム        0.2~0.4%

カルシウム       0.5~1.0%

リン            0.4~0.9%

カルシウム:リン比   1対1~2対1 (1.2対1~1.4対1が最適)

肥満傾向の成犬

エネルギー密度    3.0~3.5Kcal/g

たんぱく質       15~30%

脂肪           7~12%

粗繊維         ≧5%

ナトリウム        0.2~0.4%

カルシウム       0.5~1.0%

リン            0.4~0.9%

カルシウム:リン比   1対1~2対1 (1.2対1~1.4対1が最適)

老齢犬

エネルギー密度    3.0~4.0Kcal/g

たんぱく質       15~23%

脂肪           7~15%

粗繊維         ≧2%

ナトリウム        0.15~0.35%

カルシウム       0.5~1.0%

リン            0.25~0.75%

カルシウム:リン比   1対1~2対1 (1.2対1~1.4対1が最適)

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ドッグフードの栄養学-(20)チェックポイント

ドッグフードのチェックポイント

●「総合栄養食」か「栄養補完食」か

パッケージに「総合栄養食」の表示があれば、ペットフード公正取引協議会の承認する給与試験(分析試験)の結果、総合栄養食であることが証明されています。

ドライフードにもウェットフードにも、総合栄養食と栄養補完食があるので、パッケージのイメージやキャッチフレーズに惑わされないで必ず確認します。

総合栄養食だと思って与えていたら、実は栄養補完食だったため、特定の栄養素が不足していたということにならないようにしましょう。

●原材料

肉類の表示では、「牛肉」「鶏肉」「子羊肉」となっているものの方が、「牛肉及び牛副産物」「鶏肉及び鶏副産物」となっているものよりも高品質のタンパク質が含まれています。

「乾燥牛肉」、「乾燥鶏肉」、「乾燥子羊肉」とあれば、水分を含んだ生肉の状態ではなく、加工後の製品に含まれている状態で、多く含まれている順に表示されているので、より信頼性が高まります。

全卵には、タンパク質、リボフラビン、葉酸、ビタミンB、A、Dなどが多く含まれています。

豆のタンパク質には、必須アミノ酸が多く含まれています。

●必須脂肪酸

子犬の脳の発達や体の抵抗力を高めるオメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)。

健康な皮膚や被毛を維持するオメガ6脂肪酸のリノール酸あるいはγ-リノレン酸が含まれているか。

●穀類

炭水化物源。米、コーン、小麦粉、乾燥トウモロコシグルテン粉、小麦粉やグルテン粉など。米、トウモロコシ、小麦、大麦、オーツ麦、ライ麦の間で、タンパク質の質にそれほど違いはありません。米(ライス)は、犬が100%消化できる穀類です。

●抗酸化成分

ビタミンE(トコフェノール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ローズマリー抽出物は、脂肪の腐敗を防ぐ保存剤として一般的に使われています。

ベータカロチン、ルテイン(アミノスルホン酸)は、免疫機能を高めます。

保存剤としての効果は、ビタミンCはパッケージ開封後12時間以内、ビタミンEは、開封後約1ヶ月以内と言われています。そのため、ドッグフードは1ヶ月以内で使い切るサイズのものを選び、開封したら、密封して、涼しい場所で保管するようにします。

●ビタミン類

ビタミンA :視力と皮膚の健康維持

ビタミンD: 健康な骨と歯のために

ビタミンB群(B1,B2,ナイアシン、パントテン酸、B6,ビタミンH/ビオチン、ビタミンB12,葉酸)は、細胞の働きに大切。

ドッグフードは、さまざまな炭水化物、脂肪、タンパク質、水分を含む混合物で、それらに比べればミネラルやビタミンの含有量はずっと少ないものです。

しかし、長期間にわたって給餌することを考えると、ほんのわずかしか含まれていなくても、犬の健康を維持するためには大切です。
タウリン、リコピン、クエン酸は、体の抵抗力を増します。

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ドッグフードの栄養学-(19)原材料の解説

●原材料の名称と解説

肉(ミート)

動物の汚染されていない肉及び心臓や食道、隔膜などを含む。

肉副産物

肉副産物 : 動物の肺、肝臓、腎臓、胃、腸、血液などを含んでいる。

鶏副産物粉: 肉片、肉くず、皮、胃、血液などを精製して脂肪を除き、粉にしたもの。

内臓には、肉には含まれていない栄養素が含まれている。また、内臓はリンの含有率が少ないので、カルシウムのバランスが崩れるのを緩和し、結石などの疾病を予防する効果もある。

人が食べる内臓類は、犬にも好ましい食材だが、人が食べない「非食部位」と呼ばれる内臓類を多く使っているフードからは、良質なタンパク質を摂取することは期待できない。

ミルラン

小麦ふすま、小麦ショーツ、麦芽、小麦粉の粗い小さな粒などで、栄養価は低い。小麦を精製した後の残り。

大豆ミール、小麦ミール、とうもろこしミール

それぞれのあら粉。油などを精製した後の残り。

ダイジェスト

脂肪を化学処理したり、酵素で加水分解したもので、ドライフードの表面にスプレー処理されて、嗜好性を高める。

脂肪分は空気に触れると酸化しやすいので、開封後はしっかりと封をして、涼しい場所で保管しなければならない。

ビートパルプ、乾燥セルロース

食物繊維。腸の健康に役立つ。単にかさを増すために入っているものもある。

イースト

天然保存料。防虫効果がある。

クエン酸

天然保存料。フードのPhをコントロールし、変質、変色を防ぐ。

トコフェノール

ビタミンE。酸化を防ぐ天然保存料。

アスコルビン酸

ビタミンC。抗酸化剤として使用される。

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ドッグフードの栄養学-(18)表示の解説

●成分表示の解説

水分(moisture)

原料を105℃で3~4時間加熱すると、水分が失われて乾物が残ります。

ドライフード、セミモイストフードでは、製品の栄養素は乾いた状態で含まれているので、水分含有量が多いフードほど栄養価値は下がります。

粗灰分(crude ash)

フードを燃焼させた場合に、燃え残るもののことです。有用なミネラルも含まれますが、土壌元素が多く、無機物と呼ばれるものです。

粗灰分が多いほど、栄養価値は下がります。

粗タンパク質(crude protein)

タンパク質には、平均16%の窒素が含まれています。窒素量を測定して、その数値を6.25倍したものを、粗タンパク質と呼んでいます。

粗脂肪(crude fat)

主体はトリアシルグリセロールと呼ばれるもので、エネルギーとしての価値が高いものです。

粗繊維(crude fiber)

炭水化物に含まれている繊維質で、エネルギー価値は低い。

可溶性無窒素物(nitrogen free extract : NFE)

繊維質以外の炭水化物。多いほど、栄養価が高い。

NFE含有量 = 100 ― (水分+粗タンパク質+粗脂肪+粗灰分+粗繊維)

●添加物の表示

特別な規定はありませんが、通常は、公的に認可された食品添加物、飼料添加物だけが使用されています。

●原産国の表示

製造工程で、最終加工が行われた国名が表示されています。

日本国内で製造されたものは、「国産」と表示されます。

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ドッグフードの栄養学-(16)賞味期限

●賞味期限

賞味期限とは、その製品が栄養学的、微生物学的、物理的、感応的に適性な状態である期間の長さを言います。賞味期限に関しては、業界で定めた基準はありません。

ドライフード      : 12~18ヶ月

セミモイストフード   :  9~12ヶ月

ウェットフード(缶詰) : 24~36ヶ月

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ドッグフードの栄養学-(15)ドッグフードの添加物

●ドッグフードに使われる飼料添加物

ドッグフードの添加物には、水と脂肪の分離を防ぐための乳化剤や界面活性剤、脂肪の酸化や腐敗を防ぐ抗酸化剤、フードの傷みを抑える抗菌剤、飼い主にアピールするための着色剤などがあります。

飼い主からの反発を意識して、ペットフードメーカーは、抗酸化剤として自然のビタミンCやビタミンEを使っていることを強調していますが、実際には、エトキシキンやBHT、BHAが使われている可能性は考えられます。

日本では、エトキシキンは食品添加物としては許可されていませんが、飼料の酸化防止剤として使用することは認められています。

エトキシキンは、ビタミンEよりも安定度が高く、少量で酸化防止力があるため、海外では、飼料、農薬、化粧品などの酸化防止剤として広く使われています。

AAFCOでは、エトキシキンを飼料に使用する場合には、150ppm以下に制限しています。また、ヨーロッパや日本では、エトキシキンとBHA、BHTを合計した総量が150ppmを越えてはならないと定められています。

エトキシキンは、少量でも抗酸化効果が高いので、ドッグフードに使われている量はかなり低いと考えられています。

脂肪が酸化してできる過酸化脂質は、特に細胞に有害であることがわかっているので、ドッグフードに酸化を防ぐ添加剤を使ってはいけないとも言い切れないという意見も出されています。

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ドッグフードの栄養学-(14)BHT、BHA

●ラットへの大量投与で発ガン性が認められた添加剤

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) 制限使用量0.2g/Kg当り

BHA(プリルヒドロキシアニソール) 制限使用量0.2g/kg当り

食品の酸化を防ぐ酸化防止剤。酸素は、食品に含まれる油脂を酸化して劣化させ、過酸化物質などの有害物質を生成する。酸化防止剤は、食品に代わって酸化されることで、油脂の酸化を遅らせる。

欧米諸国では、人の健康には問題がないと判断され、食品への使用が認められているが、BHAやBHTは、犬の肝臓や腎臓に悪影響を与えると指摘されている。

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ドッグフードの栄養学-(13)亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム

●食品と反応して発ガン性物質を作る添加物

亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム(硝酸塩)、硝酸カリウム

ビタミンCを併用することで食品への使用が許可されている添加物で、ハム、ソーセージ、生たらこなどに使用される発色剤。

肉や魚の動物性タンパク質が分解してできる天然のアミンと反応して、「ニトロソアミン」という発ガン物質を作る。

ビタミンC(L-アスコルビン酸)を一緒に添加すれば、ニトロソアミンが生成されることはない。

硝酸塩は、自然の野菜にもたくさん含まれているが、野菜にはビタミンCやポリフェノール化合物など、ニトロソアミンの生成を阻害する物質も豊富に含まれている。

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ドッグフードの栄養学-(12)安全な添加物

●安全性が認められていて、食品への使用が許されている添加物

プロピレングリコール

保湿効果、保存性の向上が目的。生めん、ぎょうざ、ワンタンの皮などに使われる。半生(モイスチャー)タイプのドッグフードに使われていたが、赤血球に悪影響を与えると指摘され、現在は使用禁止になっている。

ソルビン酸

天然にも存在する脂肪酸の一種。(不飽和脂肪酸)。静菌作用がある。

アスパルテーム

アミノ酸系甘味料。アスパラギン酸とフェニルアラニンの2種類から構成されるジペプチド。

L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル(酸化防止剤)

塩化カルシウム(凝固剤)

クエン酸、クエン酸カリウム(酸味料)

クエン酸イソプロプル(酸化防止剤)

クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム(強化剤)

酸性ピロリン酸カルシウム(強化剤)

パントテン酸カルシウム(強化剤)

メチルセルローズ(乳化安定剤)

硫酸カルシウム(凝固剤)

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ドッグフードの栄養学-(11)食品添加物

●食品添加物

石器時代の人間は野生の木の実や魚、肉などを生のまま食べていましたが、火を使うようになると、煙で燻した肉が長持ちすることに気づきました。燻したことで水分活性が低くなり、燻煙に含まれる酢酸やプロピオン酸などの成分が作用して、肉を長持ちさせるのです。現代では、酢酸やプロピオン酸は、食品添加物として使われています。

古代エジプトでは、肉に岩塩をつけて食べていました。肉がおいしくなるとともに、食中毒を防ぐ目的もありました。岩塩に含まれている成分は、硝酸です。硝酸は、還元菌などの働きによって、亜硝酸塩に変化して、食品を腐らさずに保存する効果があります。現在、亜硝酸塩や硝酸塩は、食品添加剤として使われています。

自然の梅やあんず、グァバなどには、保存料の安息香酸(あんそつこうさん)が含まれています。また、自然のキャベツ、白菜、ほうれん草などには、発色剤としても使われる硝酸塩が大量に含まれています。

人類は、昔からおいしさを追い求め、食中毒を予防したり、食糧を蓄えるための保存法として、知らずに自然の食品添加物を活用してきたのです。

現代人は、毎日80種類の食品添加物をとっていると言われます。 食品添加物を目的別に分けると、次のようになります。

1.特定の食品を作るときに必要とされる添加物

かんすい (豆腐、こんにゃく、ラーメンを作るときに必要)

ベーキングパウダー(まんじゅうを作るときに必要)

2.食品の保存性を高める、食中毒を予防するための酸化防止剤、保存料

3.嗜好性(しこうせい)や品質を向上させる「着色料、香料、調味料」

4.食品の栄養価を高めたり、維持するための「ビタミン、アミノ酸、ミネラル」

食品添加物と聞くと、全て好ましくないと思い込んでしまう傾向がありますが、砂糖や塩も大量に摂取すれば身体に悪影響を与えることは同じで、加工食品に食品添加物を使う時には、身体に害を及ぼすと考えられる量をはるかに下回る量しか、使用が許されていません。

人に対して発ガン性があるとされたものは、使用が許可されません。

例えば、甘味料の「サッカリン」は、発ガン性があると指摘されたために、一時は食品への添加が禁止されましたが、その後、厳密な検査でその毒性が否定されました。

しかし、いまだに「サッカリンは危険だ」と誤解している人が多いため、イメージが悪くなることを嫌って、今では「アスパルテーム」という甘味料が使われるようになっています。

チョコレートやネギ類などを犬に与えると食中毒になるのと同じように、人には害がなくても、犬には悪影響があるため、使ってはいけないとされる添加物があります。

防腐剤、保存料として使われる安息香酸、安息香酸ナトリウムは、犬にはてんかん性けいれんを引き起こすなど強い急性毒性があると指摘されています。

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ドッグフードの栄養学-(10)原材料表示の落とし穴

●原材料の表示方法の落とし穴

ドッグフードのドライタイプには、大きく分けて次の3つのタイプがあります。

1. 肉類主原料型

2. 穀物主原料型

3. 肉類・穀物混合型

フードの成分表は、含まれている原材料の多い順に記載されていますが、全ての原材料を肉類と穀類に分けて、どちらが多いかは、最終製品に含まれる乾燥重量で計算しなければ、判断できません。

原材料は、使用量の多いものから順番に表示することになっています。

例えば、牛肉25%、とうもろこし20%、米20%、フィッシュ15%、鶏肉10%、植物油10%と表示されている場合、原材料のところに、真っ先に牛肉が来ているので、「このフードの主原料は牛肉なのだ」と思ってしまいますが、製品に含まれているタンパク質は、動物性タンパク質よりも、植物性タンパク質の方が多いのです。

なぜなら、生肉の75%は水分なので、それを製品に加工すると残っている動物性タンパク質は4~5%になってしまうからです。

例えば、原材料が「乾燥牛肉25%以上」と表示されているフードの場合には、製品ベースでそれだけの牛肉が含まれていることになります。

穀物の表示にも、注意しなければならない点があります。例えば、下記のような場合です。

チキン、全トウモロコシ、全玄米、全小麦、挽き割りコーングルテン

全トウモロコシは、とうもろこしです。挽き割りコーングルテンは、とうもろこしからできる副産物のことです。このように、同じ原材料なのに、別々に記載をする方法を、分割(SPLITTING)と呼んでいます。

原材料として使われている量としては、チキンよりもとうもろこしの方が多くても、分割表示されているので、チキンが多く使われているような印象を与えます。

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ドッグフードの栄養学-(9)原材料の表示

●ドッグフードの原材料の表示

原材料の表示についての基準

使用量の多い順番に分類名(穀類、肉類など)、個別名(ビーフ、トウモロコシなど)を表示する

表示されている原材料の合計重量が、80%以上であること。

(そのフードに含まれている80%を占める原材料を表示しなければならない)

単品で10%以上含まれている原材料は、必ず表示しなければならない。

主原料の個別名を使う場合には、その原材料が5%以上使われていること。

例えば、「ラム」とパッケージに表示されているドッグフードでも、実は鶏肉も5%以上使われているものがある。動物性タンパク質が、主に鶏肉から供給されていたとしても、パッケージには、「ラム」と表示できる。

「○○ 入り」、「○○味」、「○○風味」、「○○フレーバー」と表記されているものは、使われている原料は、5%未満。

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ドッグフードの栄養学-(8)ウェットフード

●ウェットフード

ウェットフードは、缶詰やアルミトレー、レトルトパウチなどの密封容器に入っているフードです。

オールミートタイプとレーションタイプに大別されます。

ウェットフードには、総合栄養食もありますが、牛肉や鶏肉の缶詰の多くは、「栄養補完食」です。

総合栄養食には、6つの基本的な栄養素であるタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水分が含まれていますが、栄養補完食では、それらが全部含まれているわけではありません。また、エネルギー量も低く、低カロリーです。

牛肉や鶏肉、ラムなどの畜肉を原料にしているので、脂肪が多く含まれているのではないかと思いがちですが、実際には1.5~4%程度の脂肪しか含まれていません。豚ヒレ肉(1.7%)、鳥ムネ肉(1.9%)と同じぐらいです。

総合栄養食のドライフードの保証成分

粗タンパク質           25.0%以上

粗脂肪               14.0%以上

粗繊維                2.5%以上

粗灰分                5.3%以上

水分                 9.5%以下

100g当りエネルギー     406kcal

国産のウェットフード(牛肉の角切り缶詰)の保証成分

粗タンパク質           12.6%以上

粗脂肪                2.0%以上

粗繊維                0.5%以上

粗灰分                1.1%以上

水分                84.7%以下

100g当りエネルギー      85kcal

栄養補完食のウェットフードは、総合栄養食のドライフードと混ぜて与えることで、次のようなメリットがあります。

消化しやすいタンパク質の補充ができる。生肉に近い食感と匂いがあるので、犬の食欲をそそる効果がある。

水分含有率が高いのでドライフードの消化を助ける。夏場の水分補給にも役立つ。

ゼリー状のとろみ部分をドライフードに絡ませることで、食いつきが良くなる。とろみの成分は主にタンパク質や炭水化物で、必須栄養素もたっぷり含まれている。

ウェットフードは、製造工程で、原料の肉は、生の状態で缶に密閉された後、すぐに120℃の釜に入れられて加熱調理されています。

密封された状態で加熱殺菌が行われるため、雑菌が入ったり、酸素に触れることがないので、防カビ剤や酸化防止剤を入れる必要がありません。

きちんとした原料を使っていれば、缶詰のウェットフードは安心できるフードですが、使い残した場合には、冷蔵庫で保管して、早く使い切るようにします。

初めてウェットフードを与えると、犬の便がやわらかくなることがありますが、普段のものとは違うものを食べたので、消化器官が対応できなかった場合が多く、一時的なものです。最初は少量をトッピングして、徐々に増やしていきます。

粒状のドライフードでは、水分含有量は10%以下ですが、ウェットフードには、水分が75%以上含まれています。

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ドッグフードの栄養学-(7)セミモイストフード

●セミモイストフード

水分含有

水分25~35%程度のフード。

発泡していないフードで、品質保持のために砂糖や防カビ剤等の添加物を使用。糖含量が比較的高く、繊維含量は比較的低い。

水分保持のために湿潤調整剤を使用している。

半生状態なので、肉と同じような歯ごたえがあり、犬は喜んで食べる。

加工方法

1.エクストルーダーを使用するが、発泡させず成型するだけで、乾燥させずに冷却のみを行う。

2.包装はバリアーの高い材質を使用し、脱酸素剤を使用することが多い。

解説

ドライフードやウェットフードと原料面で大きく異なるのは、水分を25~35%程度に保つために湿潤調整を目的とする原料、糖質やプロピレングリコール・グリセロールなどの糖アルコールなどが使用されていること。

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ドッグフードの栄養学-(6)ドライフード

ドッグフードの種類

ペットフードと家畜用飼料との大きな違いは、ペットフードは全て加熱加工されていることにあります。

フードを加工する目的は、原料の消化・吸収を向上させると同時に、過熱殺菌により微生物汚染を防止するためです。

●ドライフード

水分含有水分10%以下のフード。

水分含有量が13%を越えるとカビが生えたりするので12%以下に保つ必要がある。安全性を配慮して、多くは水分含有量10%以下にしている。

加工方法

1.原料を粉砕・配合して、エクストルーダーという加熱・加圧押出機から押し出した時に中に空気を混ぜて、膨らませて形を作る。

加熱温度は、115~160℃。

発泡加工には、デンプンが不可欠で、材料には30~40%程度の穀類(炭水化物)が使われる。

2.冷却、乾燥させる。

3.風味、成分調整のための脂肪酸やアミノ酸などを噴霧する。

解説

トウモロコシ・小麦(小麦粉を含む)・大豆(脱脂大豆を含む)などの穀類と肉粉や魚粉並びに肉・魚などの動物質原料に油脂や嗜好性物質・ビタミン・ミネラル・アミノ酸といった栄養添加物や他の添加物などが使用され、総合栄養食として栄養バランスを整えたものがほとんど。

ドライフードは乾燥させることで品質を保っているので、一般的に保存材は添加されていない。

動物性脂肪は抗酸化剤で保護されて、粒の表面にコーティングされる。

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ドッグフードの栄養学-(5)ドッグフードのカロリー表示

●ドッグフードのカロリー(熱量)表示

パッケージには代謝エネルギーの記載がありますが、これは犬が食べた食物を消化吸収して、最終的に組織に利用できるエネルギーのことです。

動物は、食物がもっている全てのエネルギーである総エネルギー、そして、消化吸収できるエネルギーである可消化エネルギーの全てを利用できるわけではありません。

代謝エネルギーの数値は、たくさんの犬に食べ物を与えて、食物、糞便、尿中のエネルギーを測定する給餌試験によって算出されてきましたが、近年は吸収時の損失や効率を考慮した上で、炭水化物、脂肪、タンパク質含有量から代謝エネルギーを算出する公式が使われています。

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ドッグフードの栄養学-(4)日本の業界団体による自主規制

●日本の業界団体による自主規制

① ペットフード工業会

農林水産省とも連携して、ペットフードの品質や安全性に関するガイドラインの作成などを行っています。

② ペットフード公正取引協議会

ペットフードの安全性や品質保証に関する規制を行っています。

日本国内向けのペットフードを製造または販売している企業の90%以上がこの協議会に加盟しています。

栄養基準は、AAFCOの基準に準拠しており、給与試験のプロトコールも採用しています。

栄養基準を満たしていて、給与試験で栄養学的な適性を確認されたフードは、栄養適性表示をパッケージ等に表記することができます。

同時に、パッケージには含有成分の保証値を表示しなければなりません。

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ドッグフードの栄養学-(3)ドッグフードの品質基準

● ドッグフードの品質基準

ドッグフードの品質を守るための規制

米国では、アメリカ飼料検査協会が、市販されている飼料(=ペットフード)の品質保証値の基準を決めています。不良品の取り締まりをするための法律もあります。

日本では、ペットフードは公的には飼料でもなく、食品でもありません。ですから、公的な機関による監視は行われていません。

AAFCOの栄養基準値の特徴

ペットフードの普及率が80%以上ある米国では、アフコ(AAFCO)という飼料検査協会が、商品化にあたって栄養要求基準値や成分表示、商品名の提示の仕方などを指定しています。

これには法的な強制力はありませんが、基準値を満たしているフードかどうかで、信頼性を示す目安になっています。

*ライフステージ(年齢)にあった栄養管理の必要性に応えて、これまでの1種類から、「成長期と妊娠期」と「成犬・成猫向け」の2種類の栄養基準を設けている。

*成犬・成猫ではカルシウム・リン・塩化ナトリウムの必要量を減らし、高齢犬に対しては、「肥満」を防ぐため含有エネルギー量に上限を設けている

*栄養素の最小栄養量を設定し、さらにいくつかの栄養成分、カルシウム、リン、マグネシウム、脂溶性ビタミン、ミネラル類について上限量を定めている。これにより今まで問題視されていた「欠乏症」だけではなく、「過剰症」も防止するため、適正範囲を示した。

AFFCOは原材料の質や消化吸収率などを管理しているわけではありません。

タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの数値が規定値を満たしていても、使われている原材料はさまざまです。

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ドッグフードの栄養学-(2)ドッグフードとの相性

(2)ドッグフードとの相性

慎重に選んだフードでも、最終的にその犬に合っているかどうかは、与えてみないとわかりません。それを判断するポイントは次のようなものです。

●嗜好性(しこうせい)

犬が喜んで食べるかどうかは、飼い主にとってはいちばん気になるところです。

しかし、嗜好性が高いから良いフードということではありません。嗜好性をアップするために脂肪や合成香料を多く使っているフードもあるからです。

●ウンチの状態

フードを切り換える初期の段階では、いろいろな原材料を使っている良質なフードほど、軟便になりやすいと言われます。

軟便が続くようであれば、少し量を減らすことで改善することが多いようです。どうしても、軟便が改善されない場合には、合わない食材が含まれている可能性があるので、使用をやめます。

●涙やけや目ヤニ

涙やけとは、涙が何らかの原因で眼から常にあふれ出ているため、眼の周りの毛が赤茶色にやけてしまうことを言います。

毛色が白い犬種ほど目立ちやすく、短頭種(マズルが詰まった犬種)や眼がやや飛び出ている犬種(シーズー、マルチーズ、チワワなど)に多く見られます。

涙やけは遺伝的なものという説もありますが、タンパク質、添加物、合成保存料などフードに含まれている成分が犬に合わず、栄養バランスが崩れたことが原因になるともいわれています。

フードを変えて、涙やけや目ヤニが多くなったら、そのフードの使用は止めます。

●被毛や皮膚の健康状態

被毛がつややかになり、皮膚の健康状態も良くなったという変化が出れば、そのフードは良いものと言えるでしょう。

被毛や皮膚に結果が出てくるのには、3ヶ月後と言われます。

逆に、換毛期でもないのに過度に脱毛したり、被毛がバサバサになってしまうようなら、そのフードを使うのは止めます。

もちろん、フードだけが原因ではない可能性もあります。

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